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沖で待つ・しょっぱいドライブ・ゴッホ殺人事件

偶然にも,どちらも1996年生まれの芥川賞受賞の女性作家の作品。あまり共感を持てなかった作品で,ストーリーだけ紹介してもしょうがない作品であるが。肉体関係があっても,ずっと一緒にいても疎外感を感じている,居場所がないという疎外感の物語って,今更陳腐な気もする。
●沖で待つ 絲山秋子著 文藝春秋
「勤労感謝の日」と「沖で待つ」(芥川賞)の2篇の小説集。住宅設備機器メーカーの営業職だった経歴が反映されたOL小説とも言える。「勤労感謝の日」は,会社を退職して職安通い中(ハローワークをわざと古い表現を使っているのか?)の36才シングルの女性。隣家の紹介でやむなく見合いをしたが,不愉快な相手であった(月並み過ぎる不細工で嫌みな男)。職場で後輩だった女子を呼び出して渋谷で飲んで...という話。
「沖で待つ」は,入社同期の男性から自分が死んだらパソコンのハードディスクを破壊するように頼まれていた。男性が死亡し,女性は預かっていた鍵で単身赴任のマンションに入り,パソコンのハードディスクを破壊する。後日彼の自宅を訪問すると奥さんから,ポエムを書いた彼のノートを見せられる。ハードディスクには,この詩が入っていたに違いない(タイトルの沖で待つはその詩の一節)。こんなへなちょこポエムを見られたくなかったんだ。しかし,家にノートがあったとは彼も迂闊なやつだという話。

●「しょっぱいドライブ』大道珠貴 文藝春秋
「しょっぱいドライブ」,「富士額」,「タンポポと流星」の3編の小説集。
「しょっぱいドライブ」は60過ぎの人の良いとしよりと主人公(30半ばの女性)がドライブするところから始まる。
「富士額」は女子中学生が力士と関係を持つ話。「タンポポと流星」は主人公の女性と,友達というよりは幼稚園からの腐れ縁のような女友達との話。

上の二つとは無関係の小説
◎「ゴッホ殺人事件」上・下 高橋克彦 講談社
ナチスによって押収されたゴッホの作品を追うモサドの情報員に日本人の絵画修復家の加納由利子が巻き込まれ,死者も出る。そこに彼女の幼なじみの塔馬双太郎(浮世絵の研究家)が現れる。そして,ゴッホは自殺ではなく,他人に銃で打たれ死亡したという説が浮上するのだが。なぜ,ゴッホの作品は生前まったく売れなかったのかという謎に迫る作品
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by show_isa | 2012-08-18 17:15 | culture | Comments(0)
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