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預金保険があるから、銀行預金は安心?

預金保険がどこまで頼りになるのか確認のためにインターネットを検索したら、預金は1000万円まで保護されるから安心というレベルのサイトが多い。ビギナー向けに易しくも良いが、ツッコミも必要でないか。ということで、確認したことを書いておきます。


では、預金保険の現状を確認してみよう。
(2)預金保険の制度
預金保険は1933年に世界初の預金保険機構として米国連邦預金保険公社(FDIC)が設立されたのが始まり(それ以前にも州レベルの預金保険はあったが)。この背景には、1929年以来の大経済恐慌があり、アメリカは国の規制は最低限という意識から銀行の規制強化よりも預金者の信用強化の手段を選んだ。
日本では護送船団方式で銀行を破綻させない、銀行の経営保全で預金者の保護を図るという行政が行われてきた。しかし、日本でも1981年に預金保険制度が導入され、自由化の方向に向けた準備を行った。


預金保険制度を改めておさらいすると、
「金融機関が預金保険料を預金保険機構に支払い、金融機関が破綻した場合には、機構が一定額の保険金を支払う等で預金者を保護する制度」で、金融機関には銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫、ゆうちょ銀行が含まれる(農協は別に貯金保険制度がある。外銀の支店は対象外。国内銀行でも外貨預金は対象外)。
決済用預金(無利息)は全額、一般預金は一金融機関ごとに預金者 1 人当たり元本 1,000 万円までと破綻日までの利息等の合計額(実際に保護される預金等を「付保預金」という)。
金融機関が破綻すると、預金者に直接保険金を支払う「保険金支払方式」か、救済金融機関(預金を継承する銀行)に資金援助を行う「資金援助方式」が発動される。「資金援助方式」が一般的で、預金者にとっても(銀行名は変わっても)預金が自動的に継承される方が便利である。
※1000万円を超える部分は戻ってこない訳ではないが、破綻金融機関の資産を処分・回収したものが支払われるので、一部は切り捨てられるかもしれない。
※特例として、預金の全額保護をしないと信用秩序の維持に極めて重大な支障が生ずるおそれがある場合は金融危機対応会議の議を経て、金融危機対応措置が講じられることがある(ペイオフ凍結)。


(2)預金保険は必要なのか
<アメリカでは>
アメリカは自由放任が伝統の国だからか、平時でも銀行の破綻がある。この数年はリーマンショックの影響もあるのだが、銀行破綻の件数は
2008年25件、2009年140件、2010年157件、2011年92件、2012年51件、2013年(1月〜8月)は20件となっている。
2012年の内訳は、Payout(銀行は清算、預金者は預金保険から支払いを受ける)4件、Purchase and Assumption-All Deposits(承継銀行が破綻銀行の全預金を承継)が47件だった。
<日本では>
バブル破裂後、金融システム不安となり金融機関の破綻が相次いだ。2002年には破綻が一段落したが、預金保険機構の欠損金は4兆円以上となった。一般勘定の欠損金は2010年に解消したが、金融再生勘定は2012年度末で2620億円の赤字。
金融不安が一段落した2003年以降に預金保険が発動したのは、足利銀行と日本振興銀行への資金援助の2件。
※2010年の日本振興銀行は初めてのペイオフ(全額保護ではなく定額保護制度下の破綻処理)で、1000万以下の預金は継承銀行(最終的にイオン銀行)が引き継いだが、他銀より高利率な金利は引き下げられた。これに不服な預金者は元本と「既存利率を破綻日までの期間に適用した利息」を受け取れることにした。一方、1000万超の部分については預金等債権の買取りを概算払率25%(最終的に弁済率39%)とした資金援助方式となった。

結論として、格付け機関の格付けを見ると、近い期間で破綻が懸念される金融機関はないようだが、比較的脆弱な地域金融機関の将来再編は避けられないとの見方もある。いずれにしろ、平時においても個別の金融機関が破綻する可能性はあると思った方が良く、預金保険は必要であろう。


(3)預金保険の積立金がゼロになったら
平時において単発的に金融機関が破綻した場合は、積立金で足りるだろう。しかし金融危機で銀行の破綻が続出した場合は、バブル破裂後のように積立金はゼロになってしまうかもしれない。この場合、預金保険機構は不足資金について勘定ごとに定められた金額の範囲内で、(日銀等から)借入れ又は預金保険機構債の発行により調達できる(政府保証つき。政府保証限度額の総額は51兆円)となっている。
更に預金保険だけでは対応できない場合は、日銀による銀行への資金繰り支援もあるのだろうから、まず心配はいらないだろう。


(4)日本国の財政が破綻したら、預金保険はどうなる
政府債務の対 GDP(国内総生産)比率が国際的に突出して高いが、このまま国の借金が増大(国債依存)すれば国の財政が破綻して、大量に国債を保有する金融機関が経営危機に陥る可能性が高いと見られている。
将来、長期金利が2%、4%と上昇すれば低金利の既発国債は暴落する。金利が5%上昇すれば、銀行の自己資本が13兆円毀損するとの試算がある。また、国債発行残高が家計金融資産を上回るのが2025年頃、民間金融機関の国債消化余力ゼロになるのが2023年頃との試算がある。国債の国内消化余力がなくなり国債が暴落すると、銀行の資産が減少(バランスシート毀損)するので、銀行の破綻がありえる。特に都銀より体力の劣る地方金融機関が問題となる。
しかし、日本国が財政破綻の事態になれば、未知の領域に踏み入れることになり、預金保険だけで対応できるレベルではなくなるかもしれない。

※預金保険制度の説明は概略であり、詳細は預金保険機構のサイトを参照してください。



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by show_isa | 2013-09-09 16:40 | market | Trackback | Comments(0)
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