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今アベノミクスを考える~リフレ派の主張とは

リフレの主張は次のようなものでしょう。
脱デフレ、インフレ目標が必要である。人々のインフレ予想を形成するためには限界のない日銀の国債買い入れによって、政府日銀の決意を知らせることが必要である。経済学的に効果がなくても人々のインフレ期待によって資産価格が上昇し、設備投資が行われれば短期にデフレは収束する。それが高橋是清蔵相の政策であり、効果があったことが実証されている。また、当時のマスコミが間違った経済政策(旧平価金解禁と清算主義(今の構造改革))を主張して世論を誘導してしまいデフレ不況にしてしまった。(参考文献:昭和恐慌の研究 岩田規久男編著 東洋経済新報社、リフレが日本経済を復活させる-経済を動かす貨幣の力 岩田規久男他 中央経済社)

デフレ、低成長という経済停滞については、インフレ率の差はあっても若干のインフレ(1%~3%)が必要との認識の合意形成がある。理由はそうでないと経済成長がない、とか日本の公的債務の縮小ができないなど人によって理由の違いはあるものの、本来は経済成長に伴って、若干の物価上昇があるというのが好ましい形。

日本では、保守の安倍政権がリフレ政策を採用したが、アメリカの大恐慌では保守のフーヴァー大統領は政府による経済介入を最小限に抑える政策で不況を深刻化し、ローズヴェルト大統領がリベラルなニューディールを取りました。
アメリカの大恐慌時、リフレ政策は農家も労働組合も賛成しました(むしろ要求した)。特に農民は過剰債務で苦しんでいたからです。ニューディールでは賃上げや富裕層の増税、法人税の増税も同時に行われています。
ローズヴェルトは「基本的なトラブルは資本の不十分さではない。それは十分すぎる投機的清算と結びついた購買力の十分な分配にあった。....もっと賢明な、もっと平等な国民所得の分配を打ち立てない限り、れわれは長くは持ちこたえられないだろう」「賃金の引き上げがコストを引き上げるが購買力の増加で期待される販売増加から営業成績を改善でき、国内市場を回復させる。もし我々が賃金増加の程度と同じ程度に大きく...価格をインフレートさせてしまえば全計画がむだになってしまう」
大恐慌は過少消費が原因とされ、それは労働者の交渉力が資本に比べてあまりに弱いのが原因と考えられ、団体交渉権が法律で認められた。賃金はコストとしてだけではなく購買力として評価した。(参考文献 世界大恐慌 秋元栄一 講談社選書メチエ)

リベラルのリフレ政策もありなのですが、日本では保守政権がリフレ政策を採用してしまいました。多くの国民の立場にたったリベラル派の脱デフレ政策か、富裕層、企業の為の保守派のリフレ政策かでは違ってくるものがあると思います。

デフレ脱却の方法は主に二通り。
リフレ派は通貨供給量を物価が上昇するまで無制限に拡大すべきだ、金融政策でデフレは解消できるというマネタリストの主張である(人々のインフレマインドを形成すれば良く、そのために金融政策を利用するという考えもある)。
デフレは総需要が過少だからであり、賃金上昇、公共事業などで需要を拡大すべきだというのがケインジアンの考え方である。
言い換えれば、通貨供給量拡大が先か総需要拡大が先かということである。

インフレの内容も問題です。今の日本の円安による輸入物価高騰によるコストプッシュインフレは悪いインフレで、賃金上昇、需要拡大によるデマンドプッシュインフレは良いインフレであると考えられます。しかし、今の金融政策はインフレになればなんでも良いという極端なものに見えます。コストプッシュインフレでリフレになっても、それは違うのではないか。逆に原油価格下落でリフレにならなくても日本経済の成長率があがるのなら良いことではないのか。

今のリフレ政策はインフレ率2%、成長率3%を前提にしているが、世界の現状を見ると、実現可能とは思われない。特に日本の場合、人口構成の変化(若年層の減少)から見て無理だとの指摘もあるが、リフレ派は通貨供給量を増大すればインフレになるのが経済学の常識だと主張している。しかし、その経済学の前提は現在の実態と合っていないのではないか。
何が原因で結果か、或いは付随現象なのか判断するのは難しい。経済成長にはインフレがつきものとされるが、ではインフレになれば必ず経済成長するのか。高インフレで経済が破壊された例もある。
なお、良く言われるトリクル・ダウンはレーガン政権で破綻がはっきりしたまやかしの理論である。



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by show_isa | 2015-02-03 20:27 | Trackback | Comments(0)
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